企業へ提出したポートフォリオは、誰がどのように評価しているのか?ポートフォリオは採用において、どのような役割があるのか?を、理解して作成を始めるのが大切です。
読み手(採用者側)を分析することで、前もって対策できることもあるはずです。
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ポートフォリオの重要性
クリエイティブ業界において、ポートフォリオは採用側が最も重視する資料です。これは今も昔も変わらないし、もし就職した後に転職することになっても同様です。
それではどのくらい重要視されているのか?ちょっと古いデータになりますが、以下の資料をご覧ください。
引用:ポートフォリオの教科書(書籍)
このグラフは書籍「クリエイティブ業界に就職するためのポートフォリオの教科書」に掲載されていた、クリ博就職フェスタ(2008年)の参加企業を対象に行ったアンケートです。
ここでは企業の8割がポートフォリオを「非常に重視する」と回答しています。「割と重視する」と合わせると、約9割の企業がポートフォリオを重要な資料と判断していることになります。
引用:ゲーム産業における新卒開発者採用と人材育成の状況(2008年)(pdf)
また、こちらはゲーム業界の例になりますが、グラフィックデザイナーの採用において82.6%の会社が「作品審査」を行い、ポートフォリオやデモリールの提出を求めています。
デザイナー職の場合、ポートフォリオの内容が、その他の応募書類や学校の成績、資格取得以上に重要視されていることがわかります。
ポートフォリオは誰が見る?
ポートフォリオは選考が進む中で、採用窓口となる人事スタッフから実務を担当している現場デザイナー、デザイナーを指揮する管理者(リーダーやディレクター)へと回り、採用の合否に至るまで様々な人の目に触れます。
その中で最も影響力の強いのは、現場のデザイナーを指揮する管理者です。つまりデザイナーのリーダーやディレクター(会社によって名称は異なりますが)がポートフォリオに目を通し、一緒に働きたいかを判断することが多いようです。
採用側はポートフォリオ審査を通して、あなたがどのようなスキルやセンスをもっているのか、どんな経験を持っているのか、会社に入って何をやりたいのか等、あなた自身とあなたの可能性を見たいと思っています。
第一印象が重要
多忙な現場デザイナーの管理者が審査に携わるということもあり、採用側にとって1点のポートフォリオ審査にかけられる時間は長くはありません。
実際に1回の審査で見るポートフォリオの数は、少なくとも数十点、多ければ数百点とも言われています。(企業規模によって異なります)
そんな中、1つのポートフォリオにかけられる時間は、手にとってぱらぱらとめくる程度で、短くても1分にも満たない場合もあります。
(ただし、これは1次審査での話です。2次、3次と進めば1人にかけられる時間が増えるため、ポートフォリオをじっくり見てもらえる可能性はあります)
このような理由から、ポートフォリオは第一印象、つまり表紙とその後の数ページの印象がかなり重要です。
数ページ(短時間)で自分を印象付けられることができるポートフォリオが、採用されるポートフォリオの要素の1つと言えそうです。